TOURINGフロントロアリングキット
J047552008-08-26
概要
キット番号
54564-09
モデル
モデルの備品に関する情報は、最新の純正P&Aカタログをご参照ください。または、最寄りのハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店にお問い合わせください。
装着に必要となる追加パーツ
警告
このキットはサイドカーを装着している車両には使用できません。 このフロントサスペンションキットとサイドカーを併用すると、安定性や操作性が損なわれるおそれがあります。 (00430c)
警告
このフロントロワーリングキットは独立して使用できません。 適切なローリアサスペンションキットとセットで使用する必要があります。そうしない場合、操作やコーナリング時の安定性が失われライダーの注意力が散漫になり、制御が失われ、死亡したり重傷を負う原因になります。 (00429b)
このキットを正しく取り付けるには、FLHXを除き、FLプロファイルロアーリアサスペンションキット(54635-09)が必要です。
また、このキットを正しく取り付けるために次の特殊ツールも必要となります:フォークチューブホルダー(HD-41177)、フォークシール/ブッシングツール(HD-34634)、およびフロントフォークオイルレベルゲージ(HD-59000B)。
また、次のパーツを交換しなければならない場合もあります:
表1。 交換パーツ
品目(数量)
部品番号
Oリング(2)
45845-77
クワッドリングシール(2)
45733-48
摩耗リング(2)
45859-77A
スライダーブッシング(2)
45940-84
フォークオイルシール(2)
45875-84A
コッパークラッシュワッシャー付きスクリュー、6 mm(2)
45405-75A
Harley-Davdison®フォークオイル
99884-80
警告
ライダーおよびパッセンジャーの安全を守るため、キットは正しく装着してください。 サービスマニュアルを参照しながら、適切な手順に従ってください。 自分で作業を行うことが難しい場合、または適切な工具を持っていない場合は、最寄りのハーレーダビッドソン正規販売網店に取り付けを依頼してください。 本キットを正しく取り付けないと死亡したり重傷を負うおそれがあります。 (00333b)
注記
この取り扱い説明書はサービスマニュアルの記載情報の参照を必要としています。このキットを取り付ける際は、お持ちのバイクのサービスマニュアルが別途必要です。サービスマニュアルは最寄りのハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店でお買い求めいただけます。
キット内容
図6」および「表2」を参照してください。
1バイスグリップ
2ラバーパッド
3プラスチックノブ
図1。 フォークチューブホルダー(HD-41177)
取り外し
  1. 該当するサービスマニュアルを参照し、フロントフェンダー、ホイール、およびブレーキを取り外します。
  2. 該当するサービスマニュアルを参照し、フロントフォークを取り外します。
図2。 フロントフォークオイルレベルゲージ(HD-59000B)
図3。 余分なフォークオイルを取り除きます
警告
フォークオイルの量が適切でないと、操作に影響が出て車両の制御が失われる結果、死亡したり重傷を負うおそれがあります。 (00298a)
取り付け
左右フォークの取り外し
1. 前のステップで外した右フォークアッセンブリーを用意します。
2. 図6」を参照してください。ナット(U)、ロックワッシャー(T)、フラットワッシャー(S)、および軸ホルダー(R)をフォークスライダー(O)先のスタッドから外します。
3. 図1」を参照してください。次のようにフォークチューブホルダー(HD-41177)にフォークを取り付けます:
a. 水平ポジションでしっかりとツール(1)の端を固定します。
b. フォークキャップボルトを上にし、ツール内側のラバーパッド(2)間でフォークチューブを固定します。フォークチューブがしっかり固定されるまでノブ(3)を締めます。
注記
ステップ4 ~ 16の手順については、「図6」を参照してください。
警告
フォークアッセンブリーのサービスの際は、必ずセーフティグラスまたはゴーグルを着用してください。 スプリングの前負荷を解除せずにスライダーチューブキャップを取り外さないでください。そうしないとキャップまたはスプリングが飛び出て死亡事故または重大な人身事故を引き起こすおそれがあります。 (00297a)
4. フォークプラグからフォークキャップボルト(A)を外します。クワッドリングシール(D)を外します。ボルトは保管し、クワッドリングシールは廃棄します。
5. フォークチューブ(G)からフォークプラグ(B)をゆっくり外します。フォークプラグにはスプリングの圧力がかかっています。最後のスクリュー山を回すまでプラグをしっかり握っていてください。
警告
スプリングの取り外し、取り付け時はセーフティグラスまたはゴーグルを着用してください。 スプリングの張力により、スプリング、取り付け構成部品、手に持ったツールなどが飛び、死亡したり重傷を負うおそれがあります。 (00477c)
6. フォークチューブからフォークスプリング(1)を外します。
7. フォークチューブホルダーからフォークアッセンブリーを外します。フォークを逆さにして、ドレンパンにフォークオイルを流します。フォークチューブとスライダーを、10 回以上ゆっくりと上下させる方法が最も推奨されます。
8. フォークスプリングをフォークチューブに取り付け直します。
9. 床に布を敷きます。フォークアッセンブリーを逆さにし、スプリングの端を布に押しつけます。スプリングを押し、フォークスライダー(OまたはN)の端からスクリュー(Q)を取り外します。エアインパクトレンチの使用が最も推奨されます。スクリュー(Q)およびコッパークラッシュワッシャーを廃棄します。
10. フォークスプリング(1)、ブローバルブ(E)、およびダンパーチューブ(2)をフォークチューブから外します。フォークスプリングを廃棄し、ブローバルブは保管します。
11. ダンパーチューブからリバウンドスプリング(F)を外し保管します。ダンパーチューブを廃棄します。
12. ピックツールを使用し、フォークスライダー(O)とスライダーチューブ(G)の間の固定リング(H)を外します。フォークチューブから外す際、固定クリップを拡げたり、伸ばしたりしないでください。フォークチューブやクリップが破損する場合があります。
注記
抵抗がある場合は、フォークチューブをスライドハンマーとして使用します。フォークチューブをフォークスライダーに押し込み、中程度の力で外側に引きます。フォークチューブがフォークスライダーから離れるまでこれを繰り返します。
13. フォークスライダーからフォークチューブを外す。
14. フォークオイルシール(I)、シールスペーサー(J)、およびブッシング(M)をフォークチューブの端からスライドさせて外します。フォークオイルシールとブッシングを廃棄します。
15. 割れ目にテコの力をゆっくり加え、スライダーブッシング(K)を拡げ、フォークチューブ端の溝から外します。スライダーブッシングを廃棄します。
16. フォークスライダーからオイルロックストップ(L)を外します。
左右フォークアセンブリー
ご注意
フォークチューブに傷が付かないよう注意してください。 チューブが破損すると、組み立て後にフォークオイルが漏れる原因となります。 (00421b)
注記
すべての部品の汚れを取り、摩耗がないか調べます。
以下の手順については、図6を参照してください。
1. きれいなフォークオイルで新しいブッシング(45866-84、別売り)IDをコーティングします。溝に入れるために必要なだけスプリットラインでブッシングを拡げ、フォークチューブに滑らせます。
2. 新しいダンパーチューブ(2)を用意します。必要に応じて、新しい摩耗リング(V、45859-77A、別売り)を新しいダンパーチューブ上部の溝に取り付けます。リバウンドスプリング(F)をダンパーチューブの反対端に取り付けます。
3. 摩耗リングを上にして、新しいダンパーチューブ(2)をフォークチューブにスライドさせ、チューブの端をフォークチューブ(H)の下側の穴に通します。ダンパーチューブの端にオイルロックストップ(L)を取り付けます。
4. フォークチューブホルダーにフォークスライダー(OまたはN)を取り付けます。フォークスライダーにフォークチューブをスライドさせます。
5. きれいなフォークオイルでブッシング(M)IDをコーティングします。ブッシングをフォークチューブ下方にスライドさせます。
6. ブッシングに触れるまでシールスペーサー(J)をフォークチューブ下方にスライドさせます。
注記
取り付け時にフォークオイルシールの先に傷がつかないよう、フォークチューブの先端にマスキングテープを貼ります。
7. きれいなフォークオイルで新しいフォークオイルシール(I、45875-84A、別売り)IDをコーティングします。ガータースプリングの先端を下にして(フォークスライダーに向ける)、スライダースペーサーに触れるまでフォークオイルシール(I)をフォークチューブ下方にスライドさせます。フォークチューブの端からマスキングテープを取り外す。
図4。 フォークシール/ブッシングツール(HD-34634)
図5。 フォークオイルシールの取り付け
8. 図4を参照してください。フォークシール/ブッシングツール(HD-34634)を用意し、次の手順を実行します:
a. フォークオイルシールに触れるまで、フォークシールインストーラーをフォークチューブにスライドさせます。
b. 「図5」を参照してください。スライドハンマー等のツールを使用し、固定クリップの溝がフォークスライダーIDに見えるまで、フォークオイルシール(スライダースペーサーとガイドブッシングを付けた状態)をフォークチューブ下方に押します。
c. フォークオイルシールに触れるまで、固定リング(H)をフォークチューブ下方にスライドさせます。フォークスライダーの溝に固定クリップを取り付けます。フォークチューブを取り付ける際、固定クリップを広げたり伸ばしたりしない。クリップが曲がったり歪む恐れがある。
9. ブローバルブ(E)を取り付けます。
注記
フォークスプリングが下部コイルの密集部に取り付けられていることを確認します。
10. 新しいフォークスプリング(1)を用意します。フォークスプリングをフォークチューブ内に取り付けます。
11. フォークチューブホルダーからフォークアッセンブリーを外します。
12. 床に布を敷き、フォークアセンブリーを逆さにし、布に対してスプリングの端を押しつけます。
13. コッパークラッシュワッシャー(45405-75A、別売り)を付け新しいスクリュー(Q)を取り付けます。フォークスライダー(OまたはN)の下の穴からスクリューをスライドさせ、ダンパーチューブの先に入れます。
14. ダンパーチューブが回転するのを避けるためにスプリングを圧縮しながら、スクリューを次のトルク値で締め付けます: 15–24 N·m (11–18 ft-lbs)。
15. フォークチューブからフォークスプリングを外す。
16. フォークチューブを上にして、フォークスライダー(フォークチューブではなく)をフォークチューブホルダーに固定します。
注記
フォークスライダー下にドレンスクリュー(P)を取り付けます(取り外していた場合)スクリューを次のトルク値で締め付けます: 8–11 N·m (72–96 in-lbs)。
17. 330 ml (11.2 oz)のハーレーダビッドソンタイプEフォークオイルをフォークチューブに注入します。ある程度の抵抗が感じられるまでフォークチューブを上下運動させた後、さらに2、3回上下運動させシステムから空気を取り除きます。
18. フォークチューブを圧縮し、ブローバルブを取り付け、メインスプリングを外した状態でフォークチューブの上から125 mm (4.92 in)の高さになるようにフォークオイルレベルを調節します。以下の手順に進みます。
a. 図2を参照してください。フロントフォークオイルレベルゲージ(部品番号HD-59000B)を用意します。
b. 金属リングの蝶ねじを緩め、リングの下がロッド下から125 mm (4.92 in)の位置に来るまで上下させます。蝶ねじを締め付けます。
c. 一番奥までハンドルをシリンダーに押し込みます。
d. 「図3」を参照してください。メタルリングがフォークチューブ上に水平になるまで、ロッドをフォークチューブの先端に挿入します。
e. ハンドルを引き、フォークチューブからフォークオイルを取り除きます。透明チューブからフォークオイルを観察し、オイルがシリンダーから出ているか確認します。
f. フォークチューブからロッドを外します。ハンドルをシリンダーに押し込み、余分なフォークオイルを適当な容器に排出します。廃棄物は適切に処分してください。
g. 必要に応じてステップ18 (c) ~ 18 (f)を繰り返します。フォークオイルが透明チューブから出ていなければ、オイルレベルは適切です。
19. コイルの密集部を下にしてフォークチューブにフォークスプリングを取り付けます。
注記
締めすぎに注意してください。Oリングが破損する場合があります。
20. 新しいOリング(C、45845-77、別売り)をフォークプラグ(B)に取り付けます。フォークプラグの端でフォークスプリングを押しながら、フォークプラグをフォークチューブに通します。フォークプラグを次のトルク値で締め付けます: 30–79 N·m (22–59 ft-lbs)。
21. 新しいクワッドリングシール(D) (45733-48、別売り)をフォークキャップボルトに取り付けます。取り扱い中にフォークオイルが漏れないよう、フォークキャップボルト(A)をフォークチューブプラグに通します。
22. もう一方のフォークでもステップ1から21を繰り返します。
フォークの取り付け
1. フロントフォークからフォークキャップボルトを外します。
2. 該当するサービスマニュアルを参照し、フロントフォークを取り付けます。
警告
ブレーキシステムを修理した後は、低速でブレーキをテストしてください。 ブレーキが正しく作動しない場合、高速でテストを行うと制御不能となり、死亡したり重傷を負ったりするおそれがあります。 (00289a)
警告
ホイール取り付け後に車両を始動させる場合は、必ずブレーキをポンピングしてブレーキシステムに圧力をかけてください。 圧力が不足すると、ブレーキの制動力に悪影響を及ぼし、死亡事故または重大な人身事故を引き起こすおそれがあります。 (00284a)
3. 該当するサービスマニュアルを参照し、フロントフェンダー、ホイール、およびブレーキを取り付けます。
4. ブレーキを押しこんでシステム圧をつくります。
テスト走行
  1. フォークが正しく動きリバウンドするかテスト走行を行います。
交換用パーツ
図6。 交換用パーツ:ツーリングフロントロアリングキット
表2。 交換用パーツ表
品目
詳細(数量)
部品番号
1
フォークスプリング(2)
単品販売なし
2
ダンパーチューブ
単品販売なし
表3。 交換用パーツ表
品目
詳細(数量)
品目
詳細(数量)
A
フォークキャップボルト
L
ストップ、オイルロック
B
フォークプラグ
M
ブッシング
C
Oリング
N
スライダー、フォーク(左側)
D
クワッドリングシール
O
スライダー、フォーク(右側)
E
ブローバルブ
P
ドレンスクリュー
F
リバウンドスプリング
Q
ワッシャー付きスクリュー
G
スライダーチューブ
R
アクスルホルダー
H
リテーニングリング
S
ワッシャー
I
オイルシール
T
ロックワッシャー
J
スペーサーシール
U
ナット
K
ブッシング、スライダー
V
摩耗リング