SE左(スプロケット)クランクシャフトローラーベアリングキット
J054272011-03-03
概要
キット番号
24004-03B
適合モデル
モデル装着情報については、Screamin' Eagle Proレーシングパーツカタログ(英語のみ)を参照してください。
装着に必要となる追加部品
注記
1999 ~ 2002年式、または2003年式以降のTwin Camモデルの車両にこのベアリングを取り付ける場合は、2003年以降のサービスマニュアルを参照してください。
2006年式ツインカムDynaモデルまたはその他すべての2007年式Twin Camモデルの車両にこのベアリングを取り付ける場合は、2007年以降のサービスマニュアルを参照してください。
上記のキット構成部品に加えて、この取り付けではオイルシール(H-D部品番号12068)を別途購入する必要があります。
1999 ~ 2002年式エンジンに取り付ける場合は、さらに次のいずれかのスペーサーを別途購入する必要があります。
  • H-D部品番号24008-03 (39 mm、1.54 in.)、FLTモデル用
  • H-D部品番号24038-03 (34 mm、1.33 in.)、Dynaモデル用
  • H-D部品番号24039-03 (36 mm、1.43 in.)、Softailモデル用
警告
ライダーおよびパッセンジャーの安全を守るため、キットは正しく装着してください。 サービスマニュアルを参照しながら、適切な手順に従ってください。 自分で作業を行うことが難しい場合、または適切な工具を持っていない場合は、最寄りのハーレーダビッドソン正規販売網店に取り付けを依頼してください。 本キットを正しく取り付けないと死亡したり重傷を負うおそれがあります。 (00333b)
注記
この取付要領書はサービスマニュアルの記載情報の参照を必要としています。このキットを取り付ける際は、お持ちのバイクのサービスマニュアルが別途必要です。サービスマニュアルは最寄りのハーレーダビッドソン正規販売網店でお買い求めいただけます。
キット内容
表1。 キット内容
詳細(数量)
部品番号
ベアリング、フライホイール(左側)
24605-07
リング、リテーニング
35114-02
ワッシャー、スラスト(2) (サービスバージョン)
8972
レース、インナー
別売りなし
取り付け
  1. エンジンをシャーシから取り外します。該当するサービスマニュアルの「シャーシからのエンジンの取り外し」を参照してください。
  2. サービスマニュアルの「トップエンドオーバーホール」の説明に従って、エンジンのトップエンドを分解します。
  3. エンジンのボトムエンドの分解については、「ボトムエンドのオーバーホール」を参照してください。
  4. クランクケースの分解については、「クランクケースの分解」を参照してください。
  5. 左クランクケースからクランクシャフトを取り外す方法については、「左クランクケース」を参照してください。
  6. ストックフライホイールが装着された2003年式以降のモデルについては、以下を参照してください。
  • 「スラストワッシャーおよびベアリングレースの取り外し/取り付け、ストックフライホイールが装着された2003年式以降のモデル」
  • 「フライホイールの取り外し/取り付け、2003年式クランクケースが装着されたモデル」
ストックフライホイールが装着された1999 ~ 2002年モデル、Screamin' Eagleストローカーフライホイールが装着された1999年以降のモデル、および2003年式クランクケースについては、「図1」を参照してください。該当する1999 ~ 2002年のサービスマニュアルの説明に従って、クランクシャフトから既存のテーパーローラーベアリングを取り外し、以下の手順を実行してください。
1フライホイールおよびロッドアッセンブリー
2スプロケットシャフト(品目1)
3ベアリングコーン(2)
4ベアリングアウターレース(2)
5ロックリング
6シム、ベアリング
7クランクケース(左半分)
8オイルシール
9スペーサー、スプロケットシャフト
図1。 クランクケースの取り外し、2003年式クランクケース内でストックフライホイールが装着された1999 ~ 2002年モデル、または2003年式クランクケース内でScreamin' Eagleストローカーフライホイールが装着された1999年以降のモデル
スラストワッシャーおよびベアリングレースの取り付け
2003年式クランクケース内でストックフライホイールが装着された1999 ~ 2002年モデル
2003年式クランクケース内でScreamin' Eagleストローカーフライホイールが装着された1999年以降のモデル
注記
上記のモデルでは、スプロケットシャフトからベアリングコーンを取り外し、新しいローラーベアリングキットのスラストワッシャーおよびベアリングレースと交換します。
該当するサービスマニュアルの説明に従って、左半分のクランクケースからテーパーローラーベアリングを取り外し、クランクシャフトからベアリングコーンを取り外します。
以下の手順に従って、新しいスラストワッシャーとローラーベアリングレースをクランクシャフトに取り付け、2003年以降のサービスマニュアルに従って、クランクケースの片側に新しいローラーベアリングを取り付けます。
  1. 図5」を参照してください。キットのスラストワッシャー(2)を用意します。インクスタンプを外側に向けて(IDの面取り部をフライホイールに向けて)、新しいスラストワッシャーをスプロケットシャフト(1)の上に置きます。
警告
Robinair製ヒートガンまたは他の放射加熱装置を使用する際は、メーカーの指示に従ってください。 メーカーの指示に従わないと発火の危険があり、死亡したり重傷を負うおそれがあります。 (00379a)
  • ツールチップ部分とヒートシュリンクアタッチメントに手を触れないでください。
  • 使用後は「オン/オフ」スイッチを「オフ」の位置にするようにしてください。
1. 新品のベアリングインナーレース(3)を作業台上部に配置します。Robinair製ヒートガン(HD-25070)を使用して、ベアリングインナーレースを約60秒間、均等に円形に移動させながら加熱します。
2. 適切なグローブを着用して火傷をしないように手を保護し、加熱したベアリングインナーレースをベアリングの番号を上に向けてスプロケットシャフトに置きます。
注記
加熱しないで取り付けるには、少量の浸透性オイルをシャフトとベアリングインナーレースのエッジに塗布する。
注記
熱と浸透性オイルを同時に使用しないでください。どちらか一方のみ使用してください。浸透性オイルは熱によって点火し、発火または火災の危険があります。
図2。 スプロケットシャフトベアリングインストーラー(部品番号HD-97225-55C)
3. スプロケットシャフトテーパーローラーベアリングコーンインストーラー(HD-97225-55B)を用意します。「図2」を参照してください。以下のようにツールを組み付けます。
a. 「図3」を参照してください。寿命を延ばし、また動きをスムースにするため、パイロットシャフト(1)のネジ山にグラファイト潤滑剤を少量塗布します。
b. ショルダーに接触するまで、パイロットをスプロケットシャフト(8)に取り付けます。
c. スリーブ(5)をベアリングレース(6)に当たるまでパイロットに差し込みます。
d. スリーブと接触するまで、スラストベアリング(4)および大きい平ワッシャー(3)をパイロットに差し込みます。
e. ハンドル(2)をパイロットシャフトに取り付けます。
4. 図4」を参照してください。ベアリングインナーレースがスラストワッシャーと接触するまで、ツールのハンドルを時計方向に回します。
1パイロットシャフト
2ハンドル
3平ワッシャー
4スラストベアリング
5スリーブ
6インナーレース
7スラストワッシャー
8スプロケットシャフト
図3。 インナーレースの取り付け
図4。 スプロケットシャフトへのインナーレース取り付け
5. ハンドル、平ワッシャー、スラストベアリング、スリーブ、およびパイロットをスプロケットシャフトから取り外します。
6. 図5」を参照してください。2003年以降のサービスマニュアルの説明に従って、残りの構成部品のアッセンブリー、クランクケースのアッセンブリー、シャーシの取り付けを行います。
1フライホイールアッセンブリー(既存)
2スラストワッシャー(2) (キット付属)
3ベアリングインナーレース(キット付属)
4ロックリング(キット付属)
5ストレートローラーベアリング(キット付属)
6クランクケース(左半分) (新品)
7シール(別売り)
8スペーサー(別売り) (表1を参照)
9面取り
図5。 クランクケースの取り付け、2003年式クランクケース内でストックフライホイールが装着された1999 ~ 2002年モデル、または2003年式クランクケース内でScreamin' Eagleストローカーフライホイールが装着された1999年以降のモデル
スラストワッシャーおよびベアリングの取り外しと取り付け
ストックフライホイールが装着された2003年以降のモデル
注記
上記のモデルで、クランクシャフトのスプロケット側から既存のベアリングレースとスラストワッシャーを取り外し(「図6」を参照)、新品のレースおよびスラストワッシャーと交換します。
該当するサービスマニュアルの説明に従って、左半分のクランクケースから既存のベアリングを取り外し、以下の手順で既存のベアリングレースとスラストワッシャーを取り外して交換し、クランクシャフトに取り付けます。
1フライホイールアッセンブリー(既存、品目2と3を含む)
2スラストワッシャー(取り外して交換)
3ベアリングインナーレース(取り外して交換)
4スラストワッシャー(2) (キット付属)
5ベアリングインナーレース(キット付属)
6ロックリング(キット付属)
7ストレートローラーベアリング(キット付属)
8クランクケース(左側表記) (取り付けられていたパーツは保存します)
9シール(別売り)
10スペーサー(取り付けられていたパーツは保存します)
図6。 ベアリングおよびスラストワッシャーの取り付け、ストックフライホイールが装着された2003年式以降のモデル
取り外し
1. フライホイールサポートフィクスチャー(HD-44358)を用意します。「図7」を参照してください。ツールの損傷を防ぐ為に、バイスの歯に真鍮製のプロテクターまたはウエスを置きます。丸穴が上向きなるようにして、ツールをバイスで締め付けます。
2. 穴から右クランクシャフトエンドを挿入し、フライホイールアッセンブリーを固定具に装着します。ツールのスロットにキザミ付きロケーティングピンをスライドさせ、クランプピンの穴を噛み合わせます。ロケーティングピンを手で締め付けます。
1クランプ(2)を押す
2ロケーティングピン
図7。 フライホイールフィクスチャー(部品番号HD-44358)
3. 固定クランプをスロットにスライドさせ、右フライホイールの内側に半分合わせ、下のキザミ付きナットを手で締めます。このステップを繰り返し、フライホイールの反対側に固定クランプを固定します。
注記
正しいクランプ力にするために、固定クランプは傾けないでください。クランプが平らになるまで、外側スタッドの六角部を回します。
4. 図7」を参照してください。スラストワッシャーの内側にウェッジアタッチメント(HD-95637-46A)を合わせ、六角ナットを同じ数だけ回し、ウェッジの半分を引き出します。
ご注意
ウェッジアタッチメントは、ベアリングインナーレースと確実に接触させるために必要な分だけ取り付けます。 ツールを必要以上に取り付けると、フライホイールが損傷します。 (00500b)
5. 3/8-16 x 6-1/2 in. のボルト 2 個と平ワッシャーを用意します。ボルトに平ワッシャーを取り付けます。ブリッジ、フォーシングスクリュー、および強化プラグをメインシャフトベアリングインナーレースプーラー/インストーラー(HD-34902B)から用意します。
6. 平ワッシャーがブリッジとボルトの間になるように、ボルトを1 本ずつブリッジの両側の溝に入れます。同じ回数回しながら、ボルトをウェッジアタッチメントに通します。
7. 寿命を延ばし、また作動をスムースにするため、フォーシングスクリューのねじ山にグラファイト潤滑剤を少量塗ります。フォーシングスクリューをブリッジの中央の穴に挿入します。
注記
強化プラグを使用しないと、フォーシングスクリューおよび/またはスプロケットシャフトが損傷する場合があります。
8. 強化プラグのカップ側をスプロケットシャフトの先に合わせます。スクリューの先のスチールボールが、強化プラグにしっかり接触するまで、フォーシングスクリューをブリッジに挿入します。
1フォーシングスクリュー
2ボルト、3/8-16
3ブリッジ
4強化プラグ
5ウェッジアタッチメント
6ベアリングインナーレース
7スプロケットシャフト
図8。 スプロケットの取り外しからインナーレース
警告
Robinair製ヒートガンまたは他の放射加熱装置を使用する際は、メーカーの指示に従ってください。 メーカーの指示に従わないと発火の危険があり、死亡したり重傷を負うおそれがあります。 (00379a)
  • ツールチップ部分とヒートシュリンクアタッチメントに手を触れないでください。
  • 使用後は「オン/オフ」スイッチを「オフ」の位置にするようにしてください。
9. ロビネア製ヒートガン(HD-25070)を使用して、ベアリングインナーレースを約30 秒間、均等に加熱します。
注記
熱を使わず取り外しを行うには、浸透性オイルを少量シャフトとベアリングインナーレースの先端に塗ります。
注記
熱と浸透性オイルを同時に使用しないでください。どちらか一方のみ使用してください。浸透性オイルは熱によって点火し、発火または火災の危険があります。
10. スラストワッシャー(とベアリングインナーレース)が約3.2 mm (1/8 in.)動くまで、フォーシングスクリューを回します。
11. 六角ナットを同じ回数回し、ウェッジアタッチメントの左右を分割します。
1パイロットシャフト
2ハンドル
3平ワッシャー
4スラストベアリング
5スリーブ
6インナーレース
7スラストワッシャー
図9。 スラストワッシャーおよびベアリングインナーレースの取り付け
図10。 スプロケットへのインナーレース取り付け
12. シャフトの下にスラストワッシャーを挿入したら、ウェッジアタッチメント(HD-95637-46A)をベアリングインナーレースの内側に再度合わせます。六角ナットを同じ回数回し、ウェッジの左右をまとめます。
ご注意
ウェッジアタッチメントは、ベアリングインナーレースと確実に接触させるために必要な分だけ取り付けます。 ツールを必要以上に取り付けると、フライホイールが損傷します。 (00500b)
13. 取り外し時にベアリングインナーレースが傾かないように、ツールアッセンブリーが直角になっていることを確認します。
14. 図8」を参照してください。Robinair製ヒートガン(HD-25070)を使用して、ベアリングインナーレースを約30秒間、均等に円形に移動させながら加熱します。
注記
熱を使わず取り外しを行うには、浸透性オイルを少量シャフトとベアリングインナーレースの先端に塗ります。
15. ベアリングインナーレースがスプロケットシャフトから出るまで、フォーシングスクリューを回す。
16. スラストワッシャーをスプロケットシャフトから取り外す。
17. ベアリングインナーレースとスラストワッシャーを廃棄します。
取り付け
注記
前の手順でスプロケットシャフトから取り外したスラストワッシャーは再利用しないでください。
  1. キットに付属するインクスタンプを外側に向けて(IDの面取り部をフライホイールに向けて)、新しいスラストワッシャー(4)をスプロケットシャフトの上に置きます。
  2. 新品のベアリングインナーレース(5)を作業台上部に配置します。Robinair製ヒートガン(HD-25070)を使用して、ベアリングインナーレースを約60秒間、均等に円形に移動させながら加熱します。
  3. 適切なグローブを着用して火傷をしないように手を保護し、加熱したベアリングインナーレースをスプロケットシャフトに置きます。
  4. 注記
    加熱しないで取り付けるには、少量の浸透性オイルをシャフトとベアリングインナーレースのエッジに塗布する。
    注記
    熱と浸透性オイルを同時に使用しないでください。どちらか一方のみ使用してください。浸透性オイルは熱によって点火し、発火または火災の危険があります。
  5. 図2」を参照してください。スプロケットシャフトテーパーローラーベアリングコーンインストーラー(HD-97225-55C)を用意します。以下のようにツールを組み付けます。
    1. ショルダーに接触するまで、パイロットをスプロケットシャフトに取り付けます。
    2. 寿命を延ばし、また動きをスムースにするため、パイロットシャフトのネジ山にグラファイト潤滑剤を少量塗布します。
    3. スリーブをベアリングレースに当たるまでパイロットに差し込みます。
    4. スリーブと接触するまで、スラストベアリングおよび大きい平ワッシャーをパイロットに差し込みます。
    5. 図9」を参照してください。ハンドルをパイロットシャフトに取り付けます。
  6. 図10」を参照してください。ベアリングインナーレースがスラストワッシャーと接触するまで、ツールのハンドルを時計方向に回します。
  7. ハンドル、平ワッシャー、スラストベアリング、スリーブ、およびパイロットをスプロケットシャフトから取り外します。
  8. 該当するサービスマニュアルの説明に従って、残りの構成部品のアッセンブリー、クランクケースのアッセンブリー、シャーシの取り付けを行います。
2003年式フライホイールの取り外しと取り付け
注記
ベアリングレースとスラストワッシャー1個は、新品のフライホイールにはレースとスラストワッシャーが取り付けられているため、キット(「図6」を参照)から廃棄することができます。
1. 2003年以降のサービスマニュアルの説明に従って、左半分のクランクケースから既存のベアリングを取り外します。
2. サービスマニュアルの説明に従って、クランクケースの左半分に新品のベアリング(7)とロックリング(6)を取り付けます。
3. 「クランクケースのアッセンブリー」を参照して、キットに付属する新品のスラストワッシャー(4)と新品のオイルシール(H-D部品番号12068)を用意して、クランクケースを取り付けます。
注記
1999 ~ 2002年式の車両にエンジンを取り付ける場合には、新品のスペーサーも取り付けます。特定のモデルの車両に適合するスペーサーについては、1ページのリストを参照してください。
ご注意
正しいスペーサーを取り付けないと、オルタネーターのローターとステーターの間のクリアランスが不足し、充電システムの不具合が発生する可能性があります。 (00501b)
4. エンジンのボトムエンドのアッセンブリーについては、「ボトムエンドのオーバーホール」を参照してください。
5. エンジンのトップエンドのアッセンブリーについては、サービスマニュアルの「トップエンドオーバーホール」を参照してください。
6. 車両のシャーシにエンジンを取り付けます。サービスマニュアルの「シャーシへのエンジン取り付け」を参照してください。