SCREAMIN EAGLEアジャスタブルリアショック
J064262016-08-22
概略
キット番号
54000125
モデル
モデルの備品に関する情報は、最新の純正P&Aカタログをご参照ください。または、最寄りのハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店にお問い合わせください。
取り付け要件
このキットを正しく取り付けるには、LOCTITE® 243 (blue)(ロックタイト243 (青))が必要です。
ショックの取り付け後、ベルトテンションゲージ(部品番号HD-35381-A)が必要となります。
警告
ライダーおよびパッセンジャーの安全を守るため、キットは正しく装着してください。 サービスマニュアルを参照しながら、適切な手順に従ってください。 自分で作業を行うことが難しい場合、または適切な工具を持っていない場合は、最寄りのハーレーダビッドソン正規販売網店に取り付けを依頼してください。 本キットを正しく取り付けないと死亡したり重傷を負うおそれがあります。 (00333b)
注記
この取り扱い説明書はサービスマニュアルの記載情報の参照を必要としています。 取り付け時には、お持ちのモデルのサービスマニュアルが必要です。 マニュアルはハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店で入手できます。
キット内容
図3および表1を参照。
取り外し
注記
ショックを取り外すときは、一度に1つずつ取り外して交換してください。 この方法なら、リアホイールを持ち上げてブロックする必要がありません。 両方のショックを同時に外すには、センタースタンドを立て、リアホイールを浮かせる必要があります。
  1. サービスマニュアルを参照してください。 リアショックアブソーバーを取り外します。
  2. 図2を参照してください。 新品のショックの取り付け用にワッシャー(10および11)を保管します。
取り付け
1. 図2を参照してください。 アッパーショックマウントボルト(1)を両側に締め付けずに取り付けます: ブッシング(9)を内側に向くように配置します。 アッパーショックアイをフレームに取り付けます:
2. ロアショックアイを右側に取り付けます(日本向けモデルを除く):
a. ブッシング(9)が車体の方に向いていることを確認します。
b. ロアマウントボルト(5)をワッシャー(10)とボトムショックアイに通します。
c. ロアマウントボルトをリアフォークに通します。
d. ロアマウントボルトをスペシャルワッシャー(6)の1つに通します(2015年以前のモデルのみ)。
e. ロアマウントボルトをベルトガードに通します。
f. ロアマウントボルトをスペシャルワッシャー(6)の1つに通します(2015年以前のモデルのみ)。
g. Loctite 243 (blue) (ロックタイト243 (青))をロアショックボルトに塗布します。 ナット(7)を取り付けます。
h. ショックマウント用のボルトとナットを締め付けます。 次のトルク値で締め付けます:61–68 N·m (45–50 ft-lbs)。
注記
日本向けモデルの右側用ロアマウントボルトは、リアフォークの内側から挿入する必要があります(の説明とは逆になります図2)。 この手順を行うには、いったんリアホイールを取り外してから取り付けるという作業が必要です。
3. ロアショックアイを右側に取り付けます(日本向けモデルのみ):
a. サービスマニュアルを参照してください。 リアホイールを取り外します。
b. ブッシング(9)が車体の方に向いていることを確認します。
c. ロアマウントボルト(5)をスペシャルワッシャー(6)の1つに通します(2015年以前のモデル)。
d. ロアマウントボルトをベルトガードに通します。
e. ロアマウントボルトをスペシャルワッシャー(6)の1つに通します(2015年以前のモデル)。
f. ロアマウントボルトをリアフォークに通します。
g. ロアマウントボルトをボトムショックアイとワッシャー(10)とに通します。
h. Loctite 243 (blue) (ロックタイト243 (青))をロアショックボルトに塗布します。 ナット(7)を取り付けます。
i. ショックマウント用のボルトとナットを締め付けます。 次のトルク値で締め付けます:61–68 N·m (45–50 ft-lbs)。
j. サービスマニュアルを参照してください。 リアホイールを取り付けます。
4. アッパーショックボルトを取り外します。 Loctite 243 (blue) (ロックタイト243 (青))をアッパーショックボルトに塗布します。
5. アッパーマウントボルト(1)をワッシャー(11)とアッパーショックアイに通します。
6. アッパーマウントボルトをフレームボスに通します。
7. ショックマウントボルトを締め付けます。 次のトルク値で締め付けます:61–68 N·m (45–50 ft-lbs)。
8. ロアショックマウントを左側に取り付けます。
a. ブッシング(9)が車体の方に向いていることを確認します。
b. ロアマウントボルト(8)をワッシャー(10)とボトムショックアイに通します。
c. ロアマウントボルトをリアフォークに通します。
d. Loctite 243 (blue) (ロックタイト243 (青))をロアショックボルトに塗布します。 ナット(7)を取り付けます。
e. ショックマウント用のボルトとナットを締め付けます。 次のトルク値で締め付けます:61–68 N·m (45–50 ft-lbs)。 
9. アッパーショックボルトを取り外します。 Loctite 243 (blue) (ロックタイト243 (青))をアッパーショックボルトに塗布します。
10. アッパーマウントボルト(1)をワッシャー(11)とアッパーショックアイに通します。
11. アッパーマウントボルトをフレームボスに通します。
12. ショックマウントボルトを締め付けます。 次のトルク値で締め付けます:61–68 N·m (45–50 ft-lbs)。
注記
新品のリフレクターがリフレクターブラケットにしっかりと接着されるように、周囲の汚れを取り除きます。 石鹸や水で洗浄し、オイル汚れのないきれいなタオルで水気を拭き取ります。
13. 図1を参照してください。 ストックリフレクター(2)がストラットカバーの下にある場合、新品のリフレクター(1)をストラットカバーの上部に取り付けます。
14. サービスマニュアルを参照してください。 ベルトテンションゲージを使用して、ドライブベルトのたわみを点検、調整します。
15. ショックアブソーバーの調整セクションを参照しながら、ライディングスタイル、路面状況に合わせてプリロードおよびダンピング値を設定してください。
1新品のリフレクターの配置
2ストックリフレクターの配置
図1。 Sportsterに必要なリフレクター
1スクリュー、ボタンヘッド、1/2 x 2-1/2 (2)
2ピギーバックショックアブソーバー、LH
3ピギーバックショックアブソーバー、RH
4リフレクター、赤色(2)
5スクリュー、ショルダー、ボタンヘッド、1/2 x 2-7/8 (1)
6ワッシャー、スペシャル(2) (2015年以前のモデル)
7ナット、セルフロック(2)
8スクリュー、ショルダー、ボタンヘッド、1/2 x 2-9/16 (1)
9ブッシング(所定の方向)
10ワッシャー、1インチ(2) (新品の取り付け用に再利用)
11ワッシャー、7/8インチ(2) (新品の取り付け用に再利用)
図2。 リアショックアブソーバーの取り付け
交換用パーツ
図3。 交換用パーツ: XL リアショックキット
表1。 交換用パーツ
品目
詳細(数量)
部品番号
1
スクリュー、ボタンヘッド
Torx T50、1/2 x 2-1/2 (2)
10200392
2
ピギーバックショックアブソーバー、LH
54000127
3
ピギーバックショックアブソーバー、RH
54000126
4
リフレクター、赤色(2)
69490-07
5
スクリュー、ショルダー、ボタンヘッド
Torx T50、1/2 x 2-7/8 (1)
10200445
6
ワッシャー、スペシャル(2)
10600039
7
ナット、セルフロック(2)
7824
8
スクリュー、ショルダー、ボタンヘッド
Torx T50、1/2 x 2-9/16 (1)
4354
9
スパナレンチ
14900080
ショックアブソーバー調整
ショックプリロードの調整
ライダーの体重と積載荷物に合わせてショックアブソーバーのプリロード設定を調整する必要があります。 この調整は、バイクに乗る前、およびバイク総重量の変更後(サドルバッグの追加等)に行ってください。 荷重が変化したときはプリロードセッティングも変更する必要があります。 設定値用よりも少ない重量を運ぶ場合は、プリロードを下げる必要があります。 重量を上げる場合は、プリロードを加える必要があります。
警告
両方のショックアブソーバーを同じ設定に調整します。 正しく調整しないと安定性とハンドリングに悪影響が出て死亡や重傷を負うおそれがあります。 (00036b)
注記
.「図4」の品目6を参照してください。 最小距離は30 mm (1.18 in)、最大距離は54 mm (2.12 in)です。
新品のショックでは、ロックナットはきつく締め付けられていない場合があります。 調整を終えたら、乗車する前に必ずアジャストナットをロックする必要があります。
1. アジャスターのネジ山(9)をきれいにします。
2. 図4を参照してください。 アジャストナットとロックナットを緩めます:
a. スパナレンチのニップル(3)をアジャストナット(8)の穴に入れます。
b. (11)の方向に回して2つのナットを分離します。
3. 表3を参照してください。 ロックナットの位置は、ライダー、パッセンジャー、荷物、アクセサリーの総重量から判断して決めてください。
4. ショックのプリロードの調整:
a. スパナレンチ(5)の底部をロックナット(1)上部に配置して位置を測定します。
b. ロックナットの上部からショルダー(2)までの距離を、スパナレンチ(6)で読み取ります。
c. 測定した距離をメモします。
d. ロックナット(7)を任意の位置(6)まで回します。 必要に応じて、ロックナットの調整用にアジャストナット(8)を回します。
5. 反対側についても同じ手順を繰り返します。 どちらのショックも、測定した距離が同じであることを確認します。
6. アジャストナット(8)とロックナット(7)を所定の位置に固定します。
a. アジャストナットがロックナットに接触するまで回します。
b. スパナレンチのニップルをアジャストナットの穴に入れます。
c. ロックナット(10)の方向に同時に回します。
d. 反対側でもステップAからCを繰り返します。
1ロックナット上部からの測定
2ショルダー
3スパナレンチのニップル
4スパナレンチでの測定
5スパナレンチ
6測定箇所
7ロックナット
8アジャスターナット
9アジャスターのネジ山
10反時計方向(上から見た図)
11時計方向(上から見た図)
図4。 プリロード調整
ショックダンピングの調整
警告
両方のショックアブソーバーを同じ設定に調整します。 正しく調整しないと安定性とハンドリングに悪影響が出て死亡や重傷を負うおそれがあります。 (00036b)
ご注意
調整範囲のいずれかの端部に力をかけ過ぎると、コンプレッションおよびリバウンドアジャストバルブが損傷するおそれがあります。 (00237a)
注記
リバウンド(TEN)およびコンプレッション(COMP)のダンピング調整については、「表2」を参照してください。
ショックアブソーバーのコンプレッションダンピングの調整
  1. 図5を参照してください。 コンプレッションアジャスターを停止するまで時計回り(H方向)に回します。 これがコンプレッションダンピングの最大設定になります。
  2. コンプレッションアジャスターを反時計方向(HからS)へ回し、推奨回数クリックさせます。
ショックアブソーバーのリバウンドダンピングの調整
  1. 図6を参照してください。 リバウンドアジャスターを「H」(ハード)が刻印されている方向へ止まるまで回す。 これがリバウンドダンピングの最大設定になります。
  2. リバウンドアジャスターを「S」(ソフト)が刻印されている方向へ回し、推奨回数クリックさせます。
1コンプレッションダンピングアジャスター
2圧縮ガスバルブ(カバーを外さない)
図5。 ショックアブソーバーのコンプレッションダンピングアジャスター
1リバウンドダンピングアジャスター
図6。 ショックアブソーバーのリバウンドダンピングアジャスター
表2。 ショックリバウンドとコンプレッションダンピングで推奨する調整
ダンピング
標準(最大値から)
コンプレッション(COMP)
7クリック
リバウンド(TEN)
7クリック
表記の数字は最大値から反時計回りの回転数です。 アジャスターを時計回りに回してダンピングを増やすか、反時計回りに回して減らします。
プリロード表
Screamin Eagleアジャスタブルリアショックは最大値に調整された状態で納品されます。 ライダー、パッセンジャー、荷物、アクセサリーの重量から判断してショックプリロードを調整します。
表3。 マニュアルサスペンションプリロード表
ライダー重量
パッセンジャー、荷物、追加アクセサリーによる追加重量
lbs
0
10
20
30
40
50
60
70
80
90
100
110
120
130
140
150
160
KG
0
4.5
9.0
13.6
18.1
22.6
27.2
31.7
36.2
40.8
45.3
49.9
54.4
58.9
63.5
68.0
72.5
ショックショルダーからロックナットの上部までの測定値(mm)
100
45
30
30
30
30
30
30
32
34
36
39
41
43
46
48
50
53
最大
110
50
30
30
30
30
30
31
33
36
38
40
43
45
47
50
52
54
最大
120
54
30
30
30
30
30
33
35
37
40
42
44
47
49
51
54
最大
130
59
30
30
30
30
32
34
37
39
41
44
46
48
51
53
最大
140
64
30
30
30
31
34
36
38
41
43
45
48
50
52
最大
150
68
30
30
31
33
35
38
40
42
45
47
49
52
54
最大
160
73
30
30
32
35
37
39
42
44
46
49
51
53
最大
170
77
30
32
34
36
39
41
43
46
48
50
53
最大
180
82
31
33
36
38
40
43
45
47
50
52
54
最大
190
86
33
35
37
40
42
44
47
49
51
54
最大
200
91
34
37
39
41
44
46
48
51
53
最大
210
95
36
38
41
43
45
48
50
52
最大
220
100
38
40
42
45
47
49
52
54
最大
サスペンション調整
プリロードとダンピングを推奨値に設定した後、快適性、コントロール性、ハンドリング性を高めるため、さらに設定を調整することが可能です。これらの調整は、運転姿勢、必要とするライディングの質、路面状況に基づき変更をすることができます。
  1. フロントフォーク(調整可能な場合)とショックアブソーバーを推奨値に設定します。 タイヤ圧を正しく設定します。
  2. バイクのライディングの質を決めます。 段差や曲がりのある慣れている道路でバイクを走らせます。 各種速度で様々な路面状況を走行します。 サスペンションを正しく設定した場合、車体のサスペンションのコントロール性と快適性を得ることができます。
  3. 表4を参照してください。 運転中に体感したバイクの動きに合わせ、リバウンドと圧縮ダンピングを調整します。
  4. サスペンションの調整後、再度バイクを運転し、快適性とレスポンスをチェックします。
  5. 注記
    サスペンションを調整する場合、少しずつ調整値を変更してください。 大きな変更は、最適な設定値を通り越す場合があります。
表4。 サスペンションダンピング調整ガイドライン:
バイクの動き
推奨対応策
コーナー周辺または段差後の感覚が柔らかい、または落ち着かない
リバウンドダンピングを上げる
大きい段差の後に持ち上がったり飛んだりする感覚がある
リバウンドダンピングを上げる
段差上で激しい/急激なフィードバックがある
リバウンドダンピングを下げる
凹凸路面でバイクが落ちる感覚がある
リバウンドダンピングを下げる
深い穴で大きく落ちる
コンプレッションダンピングを上げる
フロントブレーキ使用後過剰に沈む
圧縮ダンピング(フォーク)を上げる
段差上で硬い感覚、または吸収が不十分
圧縮ダンピングを下げる
コーナー周辺で過度に固くなり曲がりにくい
圧縮ダンピングを下げる
注意:
ハンドルバーから伝わる感覚は、フロントフォークのダンピングを変更して調整します。
シートから伝わる感覚は、リアショックのダンピングを変更して調整します。