警告
DOT 4 Brake Fluid (DOT 4ブレーキフルード)は時間の経過とともに空気中の水分を吸収し、フルードの特性を変化させます。 定期点検時または毎年のいずれか早い時点で、ブレーキフルードの含水率を点検してください。 ブレーキフルードのフラッシングおよび交換は2年ごとに、含水率が3%以上となった場合はもっと早くしてください。 フルードのフラッシングと交換を行わないと、ブレーキの制動力に悪影響を及ぼし、死亡事故や重大なケガにつながるおそれがあります。 (06304b)
設計どおりのブレーキシステム機能を維持するには、DOT 4 Brake Fluid Moisture Tester (DOT 4ブレーキフルードモイスチャーテスター) (部品番号HD-48497-Aまたは同等品)を使用して、ツールに付属の説明書に従って、ブレーキフルードの含水率を定期点検時または少なくとも1年に1回点検してください。 DOT 4 Fluid (DOT 4フルード)のフラッシュは2年に1回、またはブレーキシステムのフルードテストで含水率が3%以上と判定された場合のいずれか早い時点で実施してください。
ハーレーダビッドソン社では、優れた防湿性および耐食性を有するハーレーダビッドソンPlatinum Label DOT 4 Brake Fluid (プラチナラベルDOT 4ブレーキフルード)の使用を推奨しています。
ブレーキフルード
警告
取り外す前にリザーバーのフィラーキャップまたはカバーを清掃します。 新品のDOT 4 Brake Fluid (DOT 4ブレーキフルード)を使用します。 不純物の入ったフルードを使用すると、ブレーキの制動力またはクラッチの動作に悪影響を及ぼし、死亡事故や重大なケガにつながるおそれがあります。 (00504d)
警告
DOT 4ブレーキフルードに触れると、健康に重大な影響を及ぼすおそれがあります。 適切な皮膚の保護用具及びセーフティグラスを着用しないと、死亡事故または重大な人身事故を引き起こすおそれがあります。
  • 吸入した場合: 安静にし、新鮮な空気を取り込み、医師の手当てを受けてください。
  • 皮膚に付着した場合: 汚染された衣服を脱ぐ。 直ちに多量の水で皮膚を15 ~ 20分間洗い流します。 炎症が発生したときは、医師の手当てを受けてください。
  • 目に入った場合: 最低15分間、目を開けたまま、流水で洗い流してください。 炎症が発生したときは、医師の手当てを受けてください。
  • 飲み込んだ場合: 口を濯ぎ、多量の水を飲んでください。 吐かせてはなりません。 ポイズンコントロールにお知らせください。 緊急手当が必要です。
  • 詳細については、sds.harley-davidson.comにある安全データシート(SDS)を参照してください。
(00240e)
ご注意
DOT 4 brake fluid (DOT 4ブレーキフルード)が塗装面およびボディパネル面に付着すると、表面が損傷します。 ブレーキに関する作業を行うときは、常にブレーキフルードをこぼさないように注意し、塗装面を保護してください。 表面を保護しないと外装に傷が付くおそれがあります。 (00239c)
ご注意
マスターシリンダーリザーバーにゴミや埃が入らないよう注意してください。 リザーバーにゴミや埃が入ると動作に不具合が生じ、機器が故障するおそれがあります。 (00205c)
注記
  • ブレーキシステムに漏れがない限り、フルードを補充する必要はありません。 フルードレベルが低い場合、パッドが摩耗している可能性があります。 パッドを交換することで、フルードレベルが正常レベルに戻ります。
  • 必ずDOT 4ブレーキフルードを使用してください。ブレーキフルードの水分量が3%以上となった場合、2年またはそれ以下の頻度で交換してください。 ハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店にお問い合わせください。
ブレーキフルードの量、ブレーキパッドおよびディスクの厚さを定期的に点検してください。 「点検間隔と点検記録 → 整備記録 」を参照してください。
  1. 車両を平坦な水平面に置きます。
    1. フロントブレーキ: ハンドルバーを回すか、車両を直立状態にして(サイドスタンドを使用して傾けない)、マスターシリンダーを水平にします。
    2. リアブレーキ: 車両の傾きを調整してマスターシリンダーリザーバーを水平にします。
  2. 図1」を参照してください。 リザーバーサイトグラスを点検する。 フルードレベルはグラス上の下限マーク以上でなければなりません。 フルードレベルが下限マークを下回っている場合は、ハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店に整備をご依頼ください。
  3. フロントブレーキレバーおよびリアブレーキペダルを操作した時にしっかりとした感触があることを確認します。 ブレーキにしっかりとした感触がない場合は、必ずブレーキシステムをエア抜きしてください。 ハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店にお問い合わせください。
1フロントマスターシリンダーリザーバー
2リアマスターシリンダーリザーバー
図1。 サイトグラス下限マーク
ブレーキパッド
警告
定期点検時には、必ずブレーキパッドの摩耗状態を点検します。 ただし、急な坂や渋滞などの厳しい条件下で運転することが多い場合は、より頻繁にブレーキパッドを点検する必要があります。 ブレーキのメンテナンスが不適切な場合、ブレーキに悪影響を及ぼし、死亡事故や重大なケガにつながるおそれがあります。 (00052a)
警告
ブレーキが正常かつ安全に作動するために、ブレーキパッドは必ずセットで交換します。 ブレーキが正常に作動しないと、死亡事故または重大な人身事故を引き起こすおそれがあります。 (00111a)
警告
ブレーキは安全に関わる重要なコンポーネントです。 ブレーキの修理や交換が必要な場合は、ハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店にご依頼ください。 ブレーキの不適正な整備は、ブレーキ性能に悪影響を与え死亡事故や重大なケガにつながるおそれがあります。 (00054a)
警告
ブレーキのメンテナンスは定期的に実施してください。 推奨されている間隔でメンテナンスを実施しないと、ブレーキ性能に悪影響を及ぼし、死亡事故や重大なケガにつながるおそれがあります。 (00055a)
警告
ホイールとブレーキキャリパーの位置が合っていることを確認してください。 ホイールまたはブレーキキャリパーのアライメントが不良のまま乗車すると、ブレーキディスクが引きずり、車両のコントロールを失い、死亡事故や重大なケガにつながるおそれがあります。 (00050a)
ハーレーダビッドソン社は、納品時の新車に最高の制動性能が得られるブレーキパッド部品を装着しています。 これは乾燥または多湿な条件下や、作動温度が高い場合でも最大限の性能を発揮するように選定されたブレーキパッドです。 現在適用されているすべての規制要件を超える性能を備えています。 ただし、ブレーキング条件によってはブレーキノイズが聞こえることがあります。 この摩擦材では、ノイズの発生は一般的な現象です。
表1。 ブレーキパッドの摩擦材の厚みの下限
in.
mm
0.016
0.4
  1. 図2」を参照してください。 リアタイヤを回転させてブレーキディスクを点検します。 ディスクはブレーキキャリパー内で正常に動作しなければなりません。
  2. ブレーキパッドの摩擦材の厚さを測定します。 パッドは必ずしも均一に摩耗するわけではありません。 各パッドを点検します。 ブレーキパッドの溝が見えない状態になっている場合は、パッドの使用寿命が終わりに近づいていることを意味します。
  3. ブレーキパッドは、摩擦材の厚みが最小値になる前に交換します。 ブレーキパッドは必ずペアで交換してください。 ハーレーダビッドソン ジャパン正規販売網店にお問い合わせください。 「表1」を参照してください。
1フロントブレーキ(車両正面から見た場合)
2リアブレーキ(車両後方から見た場合)
3ブレーキパッドの摩擦材の厚み
4ブレーキパッドの溝
図2。 ブレーキパッドの摩擦材